【脊柱管狭窄の症例】長年のスポーツによる左太ももの重い痛み。

軽度の腰椎変形を伴う脊柱管狭窄
太ももの外側が重く痛む
長時間歩くと重だるい腰痛も出てくる

50代女性 会社員 横浜市に在住

腰痛と太ももの痛みを感じる女性

◆来院までの経緯について◆

これまでに様々な運動を経験してきたスポーツ愛好家の女性。長年に渡って、水泳、テニス、ロードバイク、登山、ダンスなどを行ってており、1年前からスポーツの後に太ももの痛みが出ることが多くなった。痛みはズーンとした筋肉痛のような感じで、スポーツ後は数日間その痛みが出続ける。

数ヶ月前から太ももの痛みが強くなり、病院で相談したところ軽度な変形を伴う脊柱管狭窄の診断を受けた。医師からは激しい運動をしないように忠告されている。狭窄の程度は軽度のため、手術ではなく保存的な対応をしてきたが、このまま歳を重ねることに不安を覚えている。

また以前のようにスポーツを心から楽しみたいという想いがあるため、根本的なケアを求めてフィジック恵比寿へ来院した。

 

◆初回の状態と症状について◆

・腰椎仙骨の軽度変形を伴う腰部脊柱管狭窄症の診断あり。
・スポーツの後に、左太ももの外側にズシッとした重い痛みが出る。
・症状には波があり、日によっては歩行が辛い時もある。
・腰椎の変形は軽度で、第5腰椎と仙骨の間が狭い。
・太ももの痛みはハムストリングのストレッチを行うと一時的に軽減する。
・20分以上歩くと徐々に鈍い腰痛と太ももの痛みが出始める。
・以前と全く同じ体を求める訳ではないが、今よりもっとスポーツを楽しめる体になりたい。

 

◆検査と施術◆

検査1 腰仙部の伸展で症状の再現
検査2 脱力時も右の背筋~左右の胸腰筋膜のテンションが高い
検査3 ハムストリング停止部の腱と腓腹筋起始部が癒着
検査4 下部胸椎と上部腰椎が後弯気味
検査5 膝関節が常に少しだけ曲がっている

施術1 腰仙部の間を広げる調整を緩やかに行う
施術2 胸腰移行部を伸展させる矯正
施術3 背筋~胸腰筋膜リリース
施術4 ハムストリング腱と腓腹筋腱の腱膜リリース
施術5 AKを使った体幹への促通と軽いトレーニング
施術6 脊柱管を広げる体操、ストレッチを念入りに指導

 


◆その後について◆

週1回の施術でトータル10回の施術をした時点で、腰を反らせた時の太ももの重い痛みが消失し、運動後の痛みも半分以下になった。また、40分以上歩き続けても腰痛が出ることもなくなった。
激しい運動はまだ控えているが、少しずつ運動強度を高めている状況。
クライアント御本人から「今よりもさらに良い状態を目指したい」とのご要望をいただき、現在は施術頻度を変えずにさらなる身体機能向上を目指して施術を継続中。

脊柱管狭窄は腰痛、太ももの痛みに きれいな背骨で脊柱管狭窄予防を


◆担当カイロプラクターのコメント◆

病院で脊柱管狭窄の診断を受けた女性の症例です。脊柱管は背骨の中に存在する空間で、脊髄神経、脊髄、脳脊髄液などが収まるトンネルです。これが狭くなることが脊柱管狭窄と呼ばれます。今回のケースでは、長年のスポーツによる背骨への負荷によって腰椎仙骨が変形し、脊柱管狭窄が誘発され、太ももの痛み歩行時の腰痛が出たと考えられます。

 

●脊柱管狭窄とは

脊柱管狭窄は下部腰椎に起こりやすく、第5腰椎と仙骨の間(腰仙角)が広い人は注意が必要です。また、脊椎すべりや慢性的な反り腰とも関連が疑わしく、水泳選手、肥満気味の方なども腰仙角が広がりやすいと考えられます。また、椎間板ヘルニアによる脊柱管狭窄というケースも存在します。ですが実は脊柱菅狭窄症の明確な定義はありません。ガイドラインが発行されていますが、それによれば、神経学的検査、症状、病歴、年齢、CT、MRI画像検査など、複合的な要素を踏まえて判断されます。WHO基準のカイロプラクターは神経学的検査も行いますが、日本においては画像を撮ることができません。狭窄の疑いをハッキリさせたい方は、まず初めに病院で画像検査を受けることも有意義だと思います。

脊柱管狭窄症の診断

 

●脊柱管狭窄に対する当院の考えとカイロプラクティックケア

当院の脊柱管狭窄に対するカイロプラクティックケアは、筋膜、腱膜のリリース、姿勢改善、腰仙部の拡大、弱化した筋力を鍛えて体の軸を強化する、といったアプローチを一定期間、定期的に行います。このようなアプローチは、狭窄部位の見た目を変えるのではなく、機能向上を目的としています。カイロプラクティックと聞くと「関節をバキッ」と矯正するイメージがありますが、脊柱管狭窄にかかわる部位にはそういった矯正は行いません。

椎間板障害に代表して言えることですが、無症状でもヘルニアを持っている人はたくさんいます。大事なことは見た目の問題ではなく、目に見えない体の機能です。具体的な機能としては、関節の感覚、筋力、筋膜の張力、背骨骨盤などの関節可動域、自律神経の状態などが挙げられます。これらの機能が慢性的に低下した場合、骨の変形、軟骨のすりへり、運動神経の機能低下などを助長すると考えられるため、狭窄を招く可能性は十分あると言えるでしょう。狭窄に至った経緯に関連している機能低下を改善させること、それが当院の脊柱管狭窄に対するゴールです。人間本来の機能が戻ってくれば、体の痛みや症状は改善する可能性は十分期待できます。

下部腰椎と骨盤の間に起こる狭窄

 

●最後に

体は常に心とつながっており、元気な体を持ってこそ心身ともに健康な状態だと言えます。もし、目に見えない機能が低下していることが原因で健康を損なっているのなら、それはとても残念なことです。ご自分本来の身体機能を信じて、ぜひ一歩前へ踏み出していただきたいと願っています。決して希望的観測だけで言っているのではなく、多くの基礎科学を学んだWHO基準のカイロプラクターだからこそ言えることがあります。フィジック恵比寿が皆様の健康の一助になることを心から願っています。

 

◆こちらもご覧ください
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【脊柱管狭窄の症例】腰椎の側弯と軽度な変形による足の痛み

WHO基準カイロプラクティック
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