◆ はじめに|その親指・指の痛み、本当に“年齢”のせいですか?
「親指がズキッと痛む」「朝、指がカクンと引っかかる」──そんな症状、40代以降のゴルファーで増えています。整形外科では「腱鞘炎ですね」と診断されることが多いですが、実はゴルフスイングや身体の使い方に原因があるケースが非常に多いのです。この記事では、ゴルファーに多い代表的な腱鞘炎「ドゥケルバン病」「バネ指」を中心に、なぜ起こるのか?どうすれば改善できるのか?を専門家視点で分かりやすく解説します。
◆ ゴルファーに多い2つの腱鞘炎とは?
▷ ドゥケルバン病(親指側の腱鞘炎)
親指側の手首にある腱が、狭くなった腱鞘の中で擦れて炎症を起こす症状です。ゴルフでは特に、左手の親指側にある「長母指外転筋」「短母指伸筋」に負荷が集中しやすく、トップやフォローのときにこの腱が過剰に引っ張られることで発症しやすくなります。
▷ バネ指(弾発指)
中指や薬指に多く見られ、曲げた指がスムーズに伸びず、「カクン」と引っかかる症状です。強い握り込み動作が繰り返されることで、指の屈筋腱が腱鞘の中で炎症を起こし、動きが悪くなります。ゴルフのグリップやインパクトの力みが関係することが多いです。
◆ ゴルフスイングと手の腱への負担|バイオメカニクス解説
ゴルフスイングでは、手首や指はクラブ操作の最終出力ポイント。特にアマチュアゴルファーは、“手先主導”の動きになりやすく、それが腱鞘炎の大きな原因になります。
- トップで手首は最大に曲がり(コック:橈屈・背屈)、ダウンスイング終盤~インパクトで一気に解放されます。
- この時、親指や指の腱には強い張力と摩擦が集中します。
- アーリーリリース(手首の早すぎるほどき)やグリップ圧のかけすぎは、腱の摩擦をさらに強めます。
▷ グリップ圧のかけ方がカギ
- プロは必要な瞬間にだけ強く握る=腱の負担が少ない。
- アマは常に力みがち=前腕や手指に過剰なストレスが加わる。
◆ 本当の原因は“手”ではなく“体のクセ”かも
「手が痛いから、手に原因がある」と思いがちですが、実はそうとは限りません。腱鞘炎などの手首・指の痛みは、体の柔軟性や可動域の低下が引き起こす“スイングエラー”の結果として現れることが多いです。
たとえば、胸郭(胸椎)や股関節が硬くなると、スイングで身体を十分に回せなくなります。その結果、本来は体幹で行うべき回転動作を、必要以上に腕や手を大きく使って代償するようになり、親指や指の腱に過剰な負担が集中します。
また、腹筋や殿筋の筋力低下やバランス感覚が弱い人は、ダウンスイング~インパクトのタイミングで横にスライドするなど身体の軸がブレやすくなります。これを補うために、無意識のうちに手先に力を入れてクラブを“操作しよう”とするクセがつき、知らず知らずのうちにグリップ圧が強くなっている…なんてこともあります。
◆ 予防と改善のポイント|セルフケア+身体調整
🔹 セルフケア|自分でできる負担軽減の方法
- 親指のストレッチ(ドゥケルバン病予防)
親指を内側に入れて軽く握り、小指側に手首を倒す「フィンケルシュタインストレッチ」は、過剰に使われがちなAPL・EPB腱の緊張を和らげます。痛みがある方は、無理のない範囲で行いましょう。 - 前腕の筋膜リリース
前腕(肘から手首にかけて)をフォームローラーや指圧ボールで優しくほぐすと、腱の滑走性が改善され、炎症や摩擦のリスクが軽減されます。1日3〜5分程度で十分です。 - 正しいグリップ圧の感覚練習
クラブを握るとき、多くの人が必要以上に力を入れてしまいます。まずはタオルやペットボトルを握って、「持ち上げられるけどスルッと落ちそうなくらいの力加減」を練習してみましょう。
🔹 身体調整|動きのクセを変えて“手に頼らない”体をつくる
- 胸椎の回旋エクササイズ
座った状態で両手を頭の後ろに置き、左右に体を回すストレッチを行うと、胸椎の可動域が広がります。 - 股関節の可動域アップ
仰向けで片膝を胸に抱えるストレッチや、膝を横に倒す内旋ストレッチを毎日行うことで、下半身主導の動きがしやすくなり、手先の負担を軽減できます。 - 体幹の安定性トレーニング
プランクや片脚立ちでのバランストレーニングなどを取り入れると、手首・指でクラブを操作しようとする動きが抑えられます。
■ 実際のゴルファーの症例を知りたい方へ
「どんな体のクセが膝の痛みに関係していたのか?」「どんなケアで膝の痛みが楽になったのか?」――そんな疑問をお持ちの方は、実際に当院でサポートしたゴルファーの症例紹介をご覧ください。
▶ 【症例】ゴルフ中に親指の付け根が痛い…それ、“ドケルバン病”かも?|母指の腱鞘炎を改善した実例
▶ 【症例】女性ゴルファーに多い“ばね指”の本当の原因とは?|40代女性の症例
◆ まとめ|腱鞘炎は“身体を見直すサイン”
手首や指の痛みは、スイングフォームだけではなく、身体の使い方そのものに原因があることが多いです。
手の腱鞘炎も、“手指や手首が悪い”のではなく、“体の動かし方に無理がある”だけかもしれません。
もし今、痛みや違和感を抱えているなら──
それは「もっと自然に、もっと楽しくゴルフをする」ために、体が送ってくれているサインなのかもしれません。
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