トップ付近で感じる鋭い左肩の痛み――根本原因とアプローチ方法をご紹介
【来院の背景】
年齢性別:40代男性。
ゴルフ歴:14年。
ラウンド回数:月に2〜3回。
3カ月前から、ドライバーやアイアンの練習中、特にバックスイングのトップ付近から切り返しにかけて、左肩に鋭い痛みが走り、「思い切って打てない」「スイングの調子も悪くなってきた」と大変お困りのご様子でした。
またここ数ヶ月は体の硬さを自覚されていたこともあり、整体に通ったり、自宅で筋トレを行うなどのケアを続けていましたが、症状は改善せず、「他に良くなる方法がないか」との想いで当院にご相談くださいました。
【検査と原因】
カイロプラクティック検査と、ゴルフに特化したTPI(Titleist Performance Institute)スクリーニングを実施し、
お身体の状態をみたところ、スイング中の左肩の痛みに影響していると考えられるいくつかの体の特徴が明らかになりました。
- 胸椎(背中の上部)や肩甲骨周囲の顕著な可動性制限:
ゴルフスイングでは、体幹の大きな捻転が必要ですが、腰椎自体の回旋可動域は限られているため、その多くは胸椎の回旋によって行われます。
胸椎の可動性が低下すると、スイングに必要な上半身の捻転が十分に得られず、その不足を補うために肩関節や周囲の筋肉に過剰な負担がかかる代償的な動きが生じやすくなります。
バックスイングにおいて、左肩は極端な内転位置に置かれますが、胸椎の回旋制限があると、この位置でさらに無理なストレスがかかる可能性があります。
- 肩甲骨の安定性に関わる筋肉(前鋸筋や菱形筋、僧帽筋など)の機能低下:
肩甲骨が適切に動かないと、肩関節の動きも制限されます。
特にバックスイングのトップ付近のように腕を挙上するポジションでは、肩峰下の空間(※を参照)で腱板が圧迫される「肩のインピンジメント症候群」に繋がりやすく、
おそらくこれが左肩の痛みの原因だったと考えられます。
※この狭い空間には、肩の動きをスムーズにするための腱【腱板】や、摩擦を減らすための袋【肩峰下滑液包】が収まっています。
これらの組織が肩峰の下を滑らかに動くことで、腕を上げたり回したりといった様々な肩の動作が可能になります。
自覚されていた「体の硬さ」は、まさに胸椎や肩甲骨周囲の可動制限と関連が深く、左肩に繰り返し負担をかける原因になっていたと考えられます。
【施術内容】
- 関節調整(アジャストメント):
可動性の低下がみられた胸椎、肩甲胸郭関節、肩関節の関節機能の改善を図りました。
関節の動きを整えることで、肩峰下の空間を広げ、肩の滑らかな動きを促します。
- 筋膜リリース・軟部組織テクニック:
肩甲骨周囲筋(僧帽筋、菱形筋、前鋸筋)、広背筋、胸筋など、スイング中の肩や体幹の動きを制限していた筋肉や筋膜の緊張を緩和しました。
筋膜の柔軟性を高めることで、体の連動性を改善します。
- 可動域・安定性向上エクササイズ:
胸椎の伸展・回旋エクササイズ、肩甲骨の動きを引き出すエクササイズ、体幹や肩関節の安定化トレーニングなどを、
ご自宅でも取り組めるセルフケアとしてアドバイスしました。
特に、胸椎や肩甲骨の動きを改善することで、肩峰下の空間を正常に保ち、腱板が圧迫されない環境を作る事にもつながります。
- 体幹安定化トレーニングアドバイス:
スイングの土台となる体幹(コア)の安定性を高めるエクササイズについても、お身体の状態に合わせてアドバイスしました。
体幹の安定性は、効率的な運動連鎖に不可欠です。
【経過・結果】
施術開始後、段階的に痛みの変化が見られ始めました。
特に、胸椎や肩甲骨周囲の動きが改善するにつれて、スイング中の左肩への負担が軽減されるのを実感されたとのことです。
5回の施術を終える頃には、スイング中の鋭い痛みが気になりにくくなり、
以前のように体を大きく使える感覚が戻ってきたとおっしゃっていました。
現在でも日々のセルフケアやウォーミングアップへの意識も高く、再発予防に積極的に取り組んでいらっしゃいます。
【お客様の声】
「3カ月も痛みを我慢してゴルフをしていたので、もう諦めようかと思っていましたが、こんなに早く痛みが良くなって本当に驚きました!
施術と教えてもらったストレッチやエクササイズを続けるうちに、体がびっくりするほどスムーズに動くようになり、
スイング中の痛みがほとんど気にならなくなりました。
また思いっきりゴルフを楽しめるようになったのが嬉しいです。諦めずに相談して本当に良かったです!」
【担当コメント】
バックスイングのトップ付近で肩の痛みが出やすい場合、肩や胸椎の可動性、そして肩甲骨の安定性といった要因が複雑に関わっている可能性があります。
特に「肩のインピンジメント症候群」のように肩の腱板が圧迫されて痛みが出ている場合は早めの対処が重要です。長期間に及ぶと腱板損傷や腱板断裂などにつながるケースもあります。痛みの根本原因を見つけ出し、肩周囲の機能と身体全体の連動性を高めることが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お越しくださった方々がゴルフを楽しく、さらにはゴルフパフォーマンスの向上にもつながれば幸いです。
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