ゴルフ歴20年のベテランも悩む“肩の痛み”に根本アプローチ
【来院の背景】
ゴルフ歴22年、月に1〜2回のラウンド、50代男性
約4ヶ月前から左肩に強い痛みを感じ始め、特にドライバーやアイアンのインパクトからフォローにかけて痛みが悪化するとのことでした。痛みを改善しようとジムで筋力トレーニングにも取り組まれましたが、症状は良くならず、「痛みを気にせず思い切りクラブを振れるようになりたい」と、根本的な解決を目指してフィジック恵比寿にご相談いただきました。
【検査と原因】
詳細なフィジカルチェックを実施した結果、以下のような体の特徴がみられました。
- 左肩関節の可動域制限:
特に腕を上げる動作や内旋・外旋の可動域に制限が見られました。これはTPIスクリーニングの肩関節90/90テストなどからも確認できます。肩関節の可動性の減少は、スイング中に肩に直接的なストレスをかけやすい要因となります。 - 胸椎の回旋制限:
上半身の大きな捻転を生み出す胸椎の回旋可動性が低下していました。胸椎の動きが硬いと、スイングに必要な体幹の捻転が十分に行えず、肩や腰を大きく動かし代償しようとする傾向があります。 - 肩甲骨周囲筋の安定性低下:
肩甲骨を適切な位置に安定させ、スイング中の腕の動きをサポートする筋肉(下部僧帽筋、菱形筋、前鋸筋)の筋力低下がみられました。肩甲骨が不安定になると、スイング中の肩関節の動きがスムーズに行えず、腱板への負担が強くなります。 - 体幹(コア)の安定性不足:
TPIスクリーニングのブリッジテストで体を真っすぐに保持する殿筋などの体幹の筋力や持久力の低下がみられました。体幹が不安定だと、スイング中にスウェイやスライドが生じやすく、これを補うために肩に過剰な負荷がかかる可能性があります。 - 姿勢の喪失:
ご本人のお話では体幹の前傾角度がスイング中に維持できず、体が起き上がる傾向があるとのこと。これは股関節の可動性や腹筋や殿筋の弱さに由来するものと考えられます。
検査の結果から左肩の痛みは、ゴルフスイングにおける繰り返しの動作により、肩の腱板が肩峰下で圧迫されるインピンジメント症候群の可能性を疑いました。これはゴルファーに多く見られる肩の障害の一つです。
本来、足腰や体幹で生み出されたエネルギーを効率よくクラブに伝える必要がありますが、関節や筋肉の硬さにより、エネルギーロスが起こり、肩関節に過剰な負担が集中していたと考えられます。
特にインパクトからフォロースルーという肩への負荷が高いフェーズで痛みが出ていることからも、これらの身体的特性が肩インピンジメントに関連している可能性が高いと考えられます。
【施術内容】
- 関節調整:
左肩関節、肩甲胸郭関節、胸椎、頸椎、股関節、骨盤といった、可動性制限や歪みが確認された主要な関節に対し、カイロプラクティックのアジャストメントやモビリゼーションを行い、関節の正常な動きとアライメントの回復を図りました。 - 筋膜リリース:
肩甲帯周囲筋(僧帽筋、前鋸筋など)、広背筋、大胸筋、小胸筋といった、過緊張や硬化が見られた筋・筋膜に対し、手技やIASTMツールを用いた筋膜リリースを実施し、組織の柔軟性を改善しました。 - 運動療法:
関節の制限や弱くなった筋肉(体幹の安定性不足、胸椎・股関節の可動域制限、肩甲骨周囲筋の機能低下)に対するターゲットを絞ったエクササイズを実践。 - セルフケアアドバイス:
日常生活における姿勢の注意点、プレー前後に行うべきゴルフ特有のウォームアップやストレッチの重要性についてアドバイスしました。
【経過・結果】
4回の施術と自宅でのエクササイズに取り組んでいただいた結果、徐々にスイング中の左肩の痛みが気にならなくなってきたとのことでした。継続してケアを行うことで、インパクトからフォローにかけての動きがスムーズに動いてきた印象です。7回目の来院時には痛みを気にせずスイングできるようになったとの声をいただいています。
【お客様の声】
4ヶ月以上にわたり、スイング時の左肩の痛みに悩まされていました。クラブを振るたびに鋭い痛みが走るため、思い切りスイングすることができず、気持ちの面でも辛く、もどかしい日々を過ごしていました。
そんな中でこちらにご相談させていただいたところ、痛みの原因が単に肩だけではなく、背中や体幹の使い方にまで関係していることを丁寧に説明いただき、驚きと納得の連続でした。
施術に加え、日々のエクササイズや体の使い方の指導を受けるうちに、少しずつではありますが、スイング時の痛みが和らいでいくのを実感しました。
今では痛みを気にすることなく、思い切りクラブを振れるようになり、心からゴルフを楽しめるようになったことに感謝しています。
【担当のコメント】
フィジック恵比寿では身体が本来持っている「効率よく動くチカラ」を引き出すことに焦点を当てた施術とエクササイズを提案しております。
肩や肘、手の問題が実は足のバランス感覚の低下が原因…なんてこともあります。
体の立ち姿勢を家に例え、足が1階、腰が2階、背中や上肢が3階、頭が4階とすると、足場が崩れ、腰や背中が傾くと、それに合わせて肩の問題が起こるイメージが湧きやすいと思います。このような体の連鎖がゴルフスイング中に常に働くため、ゴルフ障害の改善には全身的なケアが必要です。
つらいお悩みを抱えた方々が心からゴルフを楽しめる日々を取り戻せるよう、専門的な知識と技術、そして何よりも情熱をもって、これからも全力でサポートしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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