21. 男性不妊に悩むあなたへ

ストレス障害が妊娠に及ぼす“見えないリスク”

「妊活がなかなかうまくいかないもしかして自分に原因があるのかな…」
そんな風に心を悩ませている男性は、決して少なくありません。現代では、不妊の原因の約半数が男性側にあることがわかってきています。なかでも見逃されがちなのが、「ストレス障害」によるホルモンバランスの乱れです。

ストレスが続くと、内分泌系の働きが乱れて、精子の質や性ホルモンの分泌に深刻な影響が生じ、妊娠の確率を下げてしまうリスクがあります。ここでは最新の研究をもとに、ストレスとホルモン、自律神経、副腎の関係についてわかりやすく解説します。

 

ストレスを抱える男性

 

WHO(世界保健機構)の定義では、「不妊症とは12ヶ月以上にわたり定期的に無防備な性交を行っても妊娠に至らない生殖器系の疾患」とされています。

 

 

ストレスが引き起こすホルモンの乱れ

ストレスを受けると、視床下部-下垂体-副腎からなる「HPA軸」が活性化され、コルチゾール(ストレスホルモン)が多く分泌されます。

この過剰なコルチゾールの分泌は、生殖ホルモンをつかさどる「HPG軸」の働きを抑え、テストステロンの産生を低下させます。

これにより、精子の数や運動率の低下、性欲や勃起力の減退といった影響が現れやすくなります。

 

ストレスによる副腎疲労

 

 

副腎疲労と男性ホルモンの低下

慢性的にストレスが続くと、副腎が過剰に働き続けることになり、「副腎疲労」という状態に陥ることがあります。

副腎疲労ではコルチゾールが分泌されにくくなり、その結果、テストステロンやDHEA(性ホルモンの前駆体)の値も低下してしまいます。
特にDHEAは精子の成熟に関わるホルモンでもあり、その不足は精子の質の低下に直結します。

 

 

睡眠不足とホルモンバランスの乱れ

過労や睡眠不足は、ストレス耐性をさらに下げ、HPA軸の乱れを助長します。深夜に分泌される成長ホルモンやテストステロンが不足し、精巣や生殖器の機能が十分に働かなくなることがあります。睡眠はホルモン調整のリセットタイムでもあるため、妊活中の男性にとっては「最優先のセルフケア」といえます。

 

良質な睡眠がとれた男性

 

 

“コルチゾール・スティール”という見えない奪取

「コルチゾール・スティール」とは、体がストレスに対応するために、副腎が性ホルモンを作る材料をコルチゾール合成に回してしまう現象です。その結果、テストステロンやDHEAの産生が後回しになり、生殖力が奪われてしまうという、まさに“見えないリスク”です。

 

 

【まとめ】

男性不妊の背景には、ストレスや副腎疲労、睡眠不足といった「生活のゆがみ」が潜んでいることがあります。精子の質はただの数値ではなく、心と体のバランスを映し出す健康のバロメーターでもあります。

まずは、無理をせず、よく眠り、ストレスを減らす生活を心がけること。そして必要に応じて、栄養療法やホルモン検査、専門家のサポートを受けることも大切です。


当院では、「おなかのハンズケア」や「あたまのハンズケア」などの手技療法、分子栄養学や中医学に基づく栄養療法を併用し、副腎機能の回復やホルモンバランスを整えるお手伝いをしています。

あなたの“見えない努力”は、きっと大切な未来につながっています。病院の不妊治療とも併用も可能です。あきらめず、ご自身の体質と向き合うところから、妊活を始めてみませんか?

 

 

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