妊娠力と体質を整える<注目データまとめ>
35歳以上での妊娠・出産は「高齢出産」と呼ばれ、卵子の変化、妊娠率の低下、流産率の上昇などがあることが統計データから明らかになっています。近年、医療や栄養、体質改善、自然療法など多方面からのアプローチが研究されており、妊娠にむけて知っておくと役立つデータも増えてきました。
ここでは、2021〜2023年に発表された注目の研究から、高齢出産を支える8つの最新知見をご紹介します。
最先端の医療で妊娠成功率を高める
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- PGT-Aによる染色体検査(2021年/The Lancet)
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流産リスクを軽減し、妊娠までの期間を短縮する効果が報告されています。
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- PRP卵巣内注入療法(2022年/Bioengineering)
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早発閉経や卵巣機能低下に対し、自己血液由来の成分を卵巣に注入することで卵胞の再活性化が確認されています。
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- 子宮内マイクロバイオームとラクトフェリン(2022年/Reproductive Medicine and Biology)
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善玉菌のバランスを整えることで着床環境が改善し、妊娠率が向上しました。腸活ならぬ「子宮内フローラ」の重要性が示されています。
食事と生活習慣から体質を整える研究
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- 地中海式食事と妊娠率|Human Reproduction, 2023
オリーブオイル、魚、野菜、全粒穀物、ナッツなどを中心とした地中海式食事法を実践する女性は、IVF妊娠率・出生率ともに高いという大規模研究。特に35歳以上の女性において、抗酸化作用・抗炎症作用が卵子や子宮内膜に良い影響を与えるとされています。
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- 抗酸化サプリメント(CoQ10、メラトニンなど)|Reproductive BioMedicine Online, 2022
卵子の老化は酸化ストレスと密接に関連。メタアナリシスによると、CoQ10やメラトニンの摂取により採卵数や良好胚率、受精率が向上したとのこと。特にCoQ10はミトコンドリアのエネルギー産生を支える働きがあり、染色体異常を防ぐ点でも重要視されています。
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- 運動と生児獲得率の関係|Fertility and Sterility, 2021
妊娠前に適度な有酸素運動(ウォーキングなど)を習慣にしていた女性は、運動習慣のない女性に比べて生児獲得率が明らかに高かったという研究。逆に激しすぎる運動は逆効果になる可能性もあるため、「息が弾む程度の運動を週3回程度」がおすすめされています。
自然療法で心身の調和をサポートする
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- 女性不妊に対するカイロプラクティックの効果|J Can Chiropr Assoc. 2018
カイロプラクティックの脊椎矯正と手技療法を受けた11人の女性( 22 ~39 歳・平均年齢31歳、平均不妊期間3年)のうち、9人で平均5か月後に妊娠が確認されました。これらは症例報告に基づくデータです。
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- DHEA補充と卵巣予備能|Reproductive BioMedicine Online, 2021
卵巣機能が低下した高齢女性を対象に、DHEA(男性ホルモン前駆体)を補充することで、採卵数や正常胚の割合が増加し、妊娠率が改善。
【まとめ】
高齢出産の最新研究では健やかな妊娠出産に向けた「選択肢」が広がっていることを教えてくれます。不妊治療だけに頼るのではなく、自分自身の体質を整えるという視点もとても大切です。
例えば、毎日の食べ物を見直したり、やさしい運動や質の高い休息を習慣にする、夜ふかしを控えて良質な睡眠で体をしっかり回復するなど。長時間のデスクワークによる内臓の圧迫や血流の悪化、慢性的なストレスに気づき、気持ちと生活にゆとりを生む環境づくりも大切です。こういった積み重ねが妊娠しやすい体づくりにつながります。
妊活・出産はご自身のペースで体質を整えていく“ライフスタイルの一部”です。最新のアプローチと日々のセルフケア、両方をバランスよく取り入れて、無理のない形であなたらしい未来を描いていきましょう。
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