32. マタニティエクササイズ|運動が苦手でもOK!

 

妊婦さん専用“やさしいストレッチ”入門ガイド

「体を動かしたほうがいいのは分かっているけど、何から始めればいいのかわからない…」
妊娠中、そう感じている方も多いのではないでしょうか。

デスクワーク中心の生活や、妊娠前からの運動不足を抱えていると、体が固まりやすく、ちょっとした動作でも疲れやすくなります。

この記事では、運動が苦手な方でも安心して始められる「妊婦さん専用のやさしいストレッチ&エクササイズ」をご紹介します。

 

ストレッチをする妊婦さん

 

 

  • 妊娠中は筋肉と神経のバランスが大切

お腹が大きくなるにつれて、腹筋(腹横筋・腹斜筋・腹直筋)は前方に引き伸ばされ、体幹が不安定になっていきます。また、骨盤底筋や内転筋、大殿筋など姿勢を支える筋肉も働きづらくなりがちです。

姿勢を支える筋肉の多くは、背骨(頚椎・胸椎・腰椎)から出る神経とつながっており、横隔膜も「横隔神経」を通じて頚椎からの指令を受け取って動いています。こうした筋肉と神経のつながりを意識した、やさしい運動が妊娠期にはとても重要です。

 

腹直筋のイラスト

 

 

  • 座ってできるストレッチ&エクササイズ(イスで無理なく実践)

 

  1. 肩甲骨まわし
    肩に手を置き、肘で大きな円を描くように10回ずつ前後に回します。肩甲骨がよく動くと、胸まわりが開いて呼吸が深くなり、横隔膜の働きが高まります。
  2. 骨盤ゆらし
    背筋を伸ばして座り、骨盤を前後にゆっくり傾ける動きを10回。仙腸関節まわりをやわらかく保ち、腰椎や腹横筋が自然に目覚めます。
  3. ドローイン(腹筋の引き締め)
    背もたれから離れて座り、息を吐きながら下腹部(腹筋)にぎゅっと力を入れて、510秒キープ×5回。インナーマッスルである腹横筋が働き、姿勢を安定させる土台になります。

 

 

 

  • 寝て行うストレッチ&エクササイズ(仰向け・横向きでOK)

 

  1. 腹式呼吸&横隔膜リリース
    仰向けで膝を立てて寝た状態で、お腹に手を当てて深くゆっくり腹式呼吸を35分。横隔膜を動かすことで、横隔神経の働きも整い、自律神経が落ち着きます。
  2. ヒップスクイーズ(殿筋の引き締め)
    仰向けで膝を立て、お尻をキュッと軽く締めて5秒キープ×10回。大殿筋と中殿筋が働くことで骨盤の安定性が高まり、腰痛や股関節の不安定さを防ぎます。
  3. 膝倒しストレッチ+ドローイン(腹斜筋と腹横筋のリハビリ)
    仰向けで膝を立て、左右交互に膝をゆっくり倒します(10往復)。その間、背中を床に押し付けて下腹に力を入れる「ドローイン」を意識。股関節を動かしながら、インナーマッスルを自然に使う感覚が身につきます。

 

エクササイズをする妊婦さん

 

 

【まとめ】

妊娠中の体は、見た目以上に変化しています。難しいトレーニングをしなくても、毎日5分のやさしい動きだけで、筋肉や神経のつながりは十分に目覚めていきます。

腹筋やお尻、内もも、肩甲骨、横隔膜――それぞれが協力して姿勢や呼吸を支えてくれるようになると、体が軽く感じられ、消化が良くなったり、疲れにくくなっていきます。運動が苦手でも大丈夫。今日からできる、あなたのペースのマタニティエクササイズ、はじめてみませんか?

 

 

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