34. 妊娠中の冷え・むくみに悩まない体づくり

 

マタニティケアと生活リズムの見直しポイント

妊娠中、「脚が重だるい」「手足が冷える」「夕方になると靴がきつい」…そんな冷えやむくみの症状に悩まされる方は少なくありません。

妊婦さんは、赤ちゃんの成長に伴い、二人分の血液を心臓から末端まで循環させる必要があるため、体液の循環や代謝が一時的に低下しやすくなります。ここでは、冷えやむくみの根本原因に目を向けながら、マタニティケアと生活習慣の両面から整えていく方法をご紹介します。

 

足の冷え、むくみを感じている女性

 

下肢静脈瘤とむくみの関係

妊娠中のむくみは、体内の血液量やホルモンの変化、骨盤周囲の圧迫など複数の要因が関係しています。特に脚の血管にこぶ状のふくらみができる「下肢静脈瘤」は、血流の滞りによる症状の一つです。

長時間のデスクワークや座位姿勢が続くと、脚の筋肉が使われず“筋肉のポンプ作用”が働かなくなり、下半身に血液やリンパが溜まりやすくなります。ふくらはぎや足首の張り、冷えと重さを感じる原因となるのです。

下肢静脈瘤のイラスト

 

 

生活リズムを見直すだけでも変わる

むくみや冷えの予防には、日々のちょっとした行動が効果的です。特に「食後にゆっくり5〜10分歩くこと」は、消化促進に加えて血流の改善にもつながります。動くことで筋ポンプが働き、老廃物の排出もスムーズになります。

腸と肝臓をつなぐ「腸肝循環」の働きを整えるには、食べ過ぎを避けながら内臓を整えることが大切です。食べすぎや消化不良は、腸内環境を悪化させ、リーキーガット(腸の粘膜バリアが破れて炎症や毒素が体内に漏れ出す状態)を招くことがあります。

 

 

ご自宅でできるセルフケア<筋肉・肝臓・腸を整える>

    • 30分ごとに立ち上がってストレッチや歩行を
      長時間の座りっぱなしは、血流低下の原因に。簡単な立ち上がりやその場足踏みでもOKです。食後に15分ほど歩くことも血糖値の上昇を防ぐことと消化を促すのでお勧めです。

    • 夜のお風呂でふくらはぎをほぐす
      血流と代謝が促進され、肝臓の解毒機能や消化機能も高まります。

 

    • 腸内環境を整える食事を意識
      発酵食品(味噌、ぬか漬け、麹)、水溶性食物繊維(大根、ごぼう、海藻類)を摂り、腸内の善玉菌を増やしましょう。腸内が整うと肝臓への負担も軽くなり、代謝が高まります。

腸内環境を整える発酵食品のイラスト

【まとめ】

妊娠中の冷えやむくみは、血液・リンパ・老廃物の「めぐり」に関係しています。
長時間の座位、消化不良、筋力の低下、腸内環境の乱れ、肝機能の低下などが複合的に絡むため、生活リズムや姿勢、食事を少しずつ見直すことが大切です。

日中のこまめな動きと、腸肝循環を意識した体のケアは、妊娠中の体を内側から温め、巡りの良い健やかな状態へと導いてくれます。「毎日少しずつ動く・整える・意識する」ことが、冷え・むくみから解放される第一歩です。

 

 

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