骨盤・筋力・ホルモン変化に合わせたマタニティケアとは?
「2人目の妊娠、1人目のときより体が重い」「3人目の出産以降、疲れやすくて不調が続く」――そんな声を多くのママから聞きます。出産経験があって妊娠や育児に“慣れている”ように見えても、実は分娩によるダメージや栄養素の不足が蓄積し、妊娠中や産後の負担がより大きく感じられることがあります。
ここでは、第2子・3子以降の妊娠でつらさを感じやすい理由と、その対策としてのマタニティケアと栄養サポートについてお伝えします。
- 骨盤のダメージが回復しないままの妊娠
前回の出産後に骨盤の靭帯や関節が緩んだまま・ズレたままで日常生活に戻ると、筋力や姿勢のバランスが不安定になります。その状態で再び妊娠してしまうと、腰痛、骨盤や恥骨の痛み、股関節の違和感が起こりやすくなります。
骨盤の安定を支える腹筋、骨盤底筋、殿筋(お尻の筋肉)などが弱くなっていると、日常動作のたびに疲労がたまりやすくなります。当院のマタニティー・ハンズケアは、骨盤のゆがみを整えるだけでなく、妊娠中でも可能な簡単な筋力サポートエクササイズの指導も行います。
- 筋力と栄養の“見えない低下”に注意
産後は睡眠不足の中で育児に追われ、お母さんの体のケアが後回しになりがちです。その結果、たんぱく質不足や鉄・葉酸の欠乏が進み、エネルギーが不足したままの体質になりやすいのです。
こうした栄養素の偏りは、抜け毛、爪が割れやすい、肌荒れといった形で現れ、体が消耗していることを表すサインとなります。上の子の育児で床からの立ち上がりやおむつ替えなどが増えると、膝への負担や、授乳・抱っこによる手首の負担が大きくなることも。
第2子以降の妊娠では、「体力が落ちた」「疲れが取れない」と感じたら、食事と栄養素の補充、筋力と育児中の体の使い方の見直しがとても大切になるのです。
- ホルモンと赤ちゃんへの影響も意識して
妊娠を重ねることでホルモンの反応が鈍くなったり、感情の浮き沈みや睡眠の質が悪くなることがあります。さらに、お母さんの栄養不足や自律神経の乱れは、赤ちゃんにも影響を与える可能性があります。
たとえば、出産後に赤ちゃんの夜泣きがひどい、湿疹やアレルギーが出やすいといったケースでは、鉄分不足など妊娠中の母体の状態が関係している可能性もあります。
マタニティケアは、体の土台を整えると同時に、母子ともに穏やかな育児へとつながる準備でもあるのです。
【まとめ】
「前回の妊娠中よりもつらい」と感じるのは、体が出しているサインかもしれません。第2子・第3子の妊娠では、骨盤のゆがみ調整、腹筋や骨盤底筋の回復、栄養素の補給、動作環境の見直しが、不調の予防と回復力の向上につながります。
2回目以降の妊娠前の妊活をしている期間に、ハンズケアや栄養サポートを行って、お体の状態を整えておくことが理想的です。ご自身の体調と向き合いながら赤ちゃんの健やかな成長を支える準備を今から始めていきましょう。
TOP「マタニティ・ハンズケア」専門ガイド|骨盤・内臓・体質にアプローチするナチュラルケア
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