抱っこ・授乳・睡眠不足に負けない体を今から準備
「産後の育児がこんなに大変だとは思わなかった」
夜泣きによる睡眠不足、抱っこや授乳による腰痛、立ち上がるたびの膝の痛み…。こうした産後の不調を経験したママの多くが、妊娠中からの体づくりの大切さを実感しています。
この記事では、妊娠中から始められる骨盤ケアや筋力サポートによって、出産後の育児負担を軽くする方法をご紹介します。
- 骨盤と関節のゆるみは妊娠中から進行する
妊娠中期~後期になると、リラキシンというホルモンの作用で骨盤まわりの靭帯や関節包が緩み、骨盤のひらきや仙腸関節、恥骨への負担が増していきます。おなかの重みが増えることで、重心のかかと側に偏って姿勢が崩れ、背中の痛み・腰痛・股関節のズレ・恥骨痛が起きやすくなります。
こうした状態が続くと、出産後の立ち上がり動作で膝に痛みを感じたり、日常の動きがスムーズにできなくなるケースも見られます。妊娠中からの骨盤矯正や股関節の矯正は、こうした問題を未然に防ぐサポートになります。
- 妊娠中から始める筋肉ケアで、産後が変わる
妊娠中は腹筋や骨盤底筋、内転筋の筋力が落ちやすく、出産後は腹直筋解離や子宮脱、尿もれなどのトラブルが起こることも。骨盤を支える筋肉のバランスが崩れると、便秘や姿勢の不安定さにもつながります。妊娠中でも安全に行える腹筋のリハビリや、骨盤底筋を意識した呼吸法・軽い運動を取り入れておくことで、産後の回復力は大きく変わります。
- 抱っこや授乳で負担がかかる部位にも対策を
育児中は赤ちゃんを抱き上げたり、長時間の授乳で同じ姿勢が続くことにより、手首や腕に強い負担がかかります。特に、抱っこ中の手首の痛みや腕の痛みは、産後によく見られる不調のひとつです。
肩まわりや背中、体幹の筋肉バランスを妊娠中から整えておくことで、産後の育児動作を支える体の土台をつくることができます。授乳姿勢の安定や、背中の痛み予防にもつながるケアです。
- 床の生活と立ち上がりの見直しも大切
床での生活が多い場合、妊娠中から膝や腰にかかる負担は大きくなります。特に、立ち上がるときの膝の痛みは、筋力と姿勢のバランスが崩れているサインです。
妊娠中から体の軸や股関節の使い方を見直すことで、育児中の動作がラクになり、長期的な慢性疲労の予防にもなります。
【まとめ】
産後の育児を健やかに行うためには、「産んでから整える」ではなく、「妊娠中から」、さらには「妊娠前から」の準備がポイントなのです。
骨盤矯正や股関節の調整に加えて、腹筋・骨盤底筋・肩まわりの筋力バランスを整えて、抱っこへの備えや立ち上がりやすい姿勢作りを意識しておくことで、手首や腕、膝の痛みなどを防ぎ、育児を前向きにスタートすることができます。
赤ちゃんのために、ご自身の体づくりも大切にすること。それがカラダとココロにゆとりを生み、安心して育児に向き合える第一歩になります。
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