お尻と股関節周辺にズキンとする痛み
ボールリリース時の軸足負荷による股関節痛とは
負荷の原因を知ることが再発防止の第1歩
50代女性 専門職 目黒区在住
◆来院までの経緯について◆
半年前からボウリングが好きになり、これまで週2回のペースで練習してきた。2ヶ月前くらいから、練習の後に左股関節のあたりが重だるい痛みを感じるようになり、定期的にマッサージを受けることにした。しかしこの数日は練習中にも左股関節痛を感じるようになったため、一旦練習をストップして根本改善をすべきと判断し、友人の紹介でフィジック恵比寿へ来院。
◆初回の状態と症状について◆
1、歩行でも左股関節の外側からお尻にかけて痛むことがある。
2、痛みは筋肉痛のような感じで、練習後は重だるい症状が数日続く。
3、練習中の痛みは、ボールリリースのタイミングで特に強く感じる。
4、運動は比較的好きなほうで、スポーツ経験は豊富。
5、自分で股関節のテーピングを試してみたが、あまり効果を感じなかった。
◆検査とカイロプラティック施術◆
1、リリース時の軸足に対する反復的な負荷が原因と予想
2、左中殿筋、小殿筋の過剰な緊張
3、左上殿動脈の血流低下
4、腰椎4番~仙骨のゆがみ(上殿神経由来の機能低下)
5、中殿筋、小殿筋のリリース
6、腰椎仙骨の矯正
7、上殿動脈の血流を向上するためのストレッチ
8、左足首の運動療法
◆その後について◆
数回の施術で練習時の痛みは消失した。現在は週2回の練習ペースを保つため、定期的なメンテナンスを継続中。自宅では足首周りの感覚を強化するエクササイズを行ってもらっている。
◆担当カイロプラクターのコメント◆
今回の原因を簡単に言えば、「度重なる練習の負荷によって、股関節のインナーマッスルが機能を保てなくなった結果」です。そこに血流低下、神経の機能低下、腰椎骨盤のゆがみ、が関わっています。メカニズムは少し複雑になりますので以下を参考にしてください。
ボウリングはとても繊細なスポーツで、投球時の瞬間的な体の負荷は、数あるスポーツの中でも上位ではないでしょうか。特にボールをリリースする際には軸足の股関節へ非常に強い負荷がかかります。バックスイングしたボールを適切な板目に向けてコントロールするため、股関節のインナーマッスルはボールの遠心力に耐えつつ体幹と連動をしながらスピードと回転力を助けます。ボウリングは幅広い年齢層に人気ですが、実はとんでもないパワー型のスポーツという捉え方もできます。
ボウリングの股関節痛を防止するためには、股関節の外側に位置するインナーマッスルである中殿筋・小殿筋の機能を落とさないことが大切です。この2つの筋肉は特にリリース時に強い負荷を受けるため、筋疲労や筋短縮が起こりやすいとい言えます。また、この2つの筋肉を支配している上殿動脈と上殿神経は、筋肉に囲まれた梨状筋上孔という割れ目から出ています。オーバーワークや骨格のゆがみによって梨状筋上孔が狭くなると、上殿動脈と上殿神経の働きが低下し、先の2つの筋肉は十分に機能を発揮できなくなるのです。そんな状態で練習を続ければ、股関節の痛み、腰痛、お尻の痛みやしびれ、膝痛などが現れる可能性があります。
筋疲労が原因であればストレッチで改善するだろうと思われる方もいるかも知れません。確かに練習を休み、自宅でストレッチを継続すれば、いずれまた練習できる体に回復するとは思います。ですが数ヶ月必要だと思われます。また、数ヶ月の間は練習ができないため、ボウリングに必要な筋力や身体パフォーマンスが低下する可能性も高いとい言えます。
さらに筋疲労の結果も様々で、緊張している状態であればストレッチも効果的ですが、癒着や短縮(緊張とは別物です)した状態だとストレッチの効果はあまり期待できません。そして骨格のバランスなども整えない限りは再発のリスクは以前高いままだと言えるでしょう。このあたりが我々のような専門家が存在する意味になります。
施術では中殿筋・小殿筋の機能を正常にさせるために、IASTMという筋膜のアプローチ、WHO基準カイロプラティック、運動療法、自宅でのアドバイスを行います。適切な評価の上、症状を分析し、改善と再発防止を目的にサポートしています。
スポーツの現場では、体の問題が出た時にご自身で判断する方も少なくありません。ですがやはり選手生命は短くなると考えられます。スポーツを長く楽しむためには、どうかご自身で判断せずにご相談ください。きっとお役に立てると思います。
フィジック恵比寿
WHO基準カイロプラクティック
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東京都渋谷区広尾1-7-22 ハイシティー広尾Ⅱ 401
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